Vol.03

※テレビの宣伝 その2

 ■膜どーかなるど!と、○○甲らの話

 手をかけない食事が、ある時から流行である。今日の日本で主なものを挙げると、若い女の娘がアルバイトしていると膜ドーカナルド(とっくの昔にどうかなっているか)と、飲むごとに喉が渇いてゆく○○コーラ、ミスシッピーチキンとミスタードーナツであろう。

敢えてミスタードーナツと正式名称を付けたのには訳がある。三十年も前の頃だろうか。当時ダスキンの社長(現在も社長であるかは分からない)の鈴木清一郎(下の名前の記憶が確かでないが)氏の自叙伝を読んだ。ミスタードーナツはアメリカの片田舎で老夫婦が営んでいたドーナツ店の味に魅せられて、当時の金額で一億円(三億円だったかも)を払い製造方法を買い取った記述があった。

その時、日本の経済界の連中から「鈴木お前は馬鹿か!」と言われたそうであるが、その後、前述した食い物(日本人ならおやつ)が日本に氾濫してきた。何が違うかと言うと、ミスタードーナツの売り上げは一円もアメリカに渡らないのです。その他は全て一部がアメリカの利益として吸い上げられている事を皆さん知っていますか。日本の郵便貯金の数十兆円はアメリカの国債を買う金に使われていて、アメリカ全土を買うことが可能な額とも言われている。(元広島の郵便局長会の副会長であった親友が教えてくれたが、故人となった)これ以上偽善国家、略奪国家アメリカに金を渡してどうする。日本人として恥かしくないか、日本の誇りはどこへ行った。

そして、このような宣伝の映像が流されていた。「朝○ックしよう。」と主婦が主人と子供を連れてパンを食いに行くのである。女子共、自分の務めを忘れているのではないか。日本人なら、主人より早く起き、家族が目覚める頃には朝食の支度を整えて当たり前ではないか。嫁が「朝○ックしよう」と言ったら、「やかましい!飯と味噌汁作れ!」と言えなきゃダメだ。

大学で教えていた頃にこの話をして、学生の顔を見ると思わず口から出た言葉「お前達にこんな事は言えないな」日本人が小粒になった。皆んな小利口で価値の判断を自らつけることが出来なくなった。このままではやはり日本は亡ぶ。私の勝手だが、ミスタードーナツ以外、前述した飲食物をここ二、三十年近く口にしたことはない。

 ■化粧品

 テレビの宣伝は時代によって主流が変るのだが、半分は食品(飲料水を含む)である。そして、化粧品、一時期は服もあったが、今は車そして、薬、家電製品等である。その中の化粧品を言いたい。

口紅、シャンプー、リンス、ファンデーション、マスカラ、マニキュア・・・と男には使った事もなければ使おうと思ってみても方法すら解からないものもある。こんなに身近に氾濫しているのに・・・。映像に流れる女性は皆美人で、体型も髪も美しい。もともとそういう素地の人物を使っているので美しいのであって、化粧品を使っているから美しくなった訳ではなかろうに。

その事が分かっていても、女は浅はかだから、自分もなれると錯覚する。見た目の美しさも必要だが、心の美しさ無くしては、見せかけの美しさの罠で意中の男を手中に収めても、長続きする訳ではない。男は単純な部分もあるが、女子とは生きる場所が全て違う。

この辺りの話は後日詳しくするつもりでいるが、全て見た目の美しさばかりに気を取られ、又そんな女子にうつつを抜かす男共(私を含めて)、アホとしか言い様が無いね。

残り三つどうしても言わなければならない宣伝がある。

 ■消費者金融 がその一つで、殆どの会社が上場企業となり、社会的地位を得ているようだが、実態は相当に悪どい、ただの金貸しではないか。

 宣伝では必ずこう言っている。「契約内容の確認」これは自分たちの高金利を消費者に納得させた事を証明したいだけ。借りたい者は本当に必要な金ではない(極稀に本当に必要な人もいるが、ここで借りる時は死ぬか生きるかの瀬戸際の時でなければならない)。博打か遊興費欲しさであるから、金利なんてどうでもよいと軽く考えているのだと思っている。「収支のバランス」貸した側は高金利を払ってもらいたいからそれは大事であろうが、博打を打つものは“勝てば返せる”と錯覚するので借りてしまう、現実は勝てる訳ないのだが。このことが理解できたら馬鹿高い金利の金を誰が借りるか!。

「ストップ借り過ぎ」冗談じゃない、「ストップ貸し過ぎ」だろう!!ナメるな!きれい事ばかり並べていても、やっている事は悪徳金貸ではないか。恥を知れ。街中のどこを見渡しても消費者金融の看板ばかり。貸す奴も悪どいが、借りる奴はもっと間抜けと言わざるを得ないし、その上著名な芸能人までが宣伝に一役買っている。金さえ貰えば日本人は何でもする様になってしまったのか。子供達も見ているんだぞ!

そして、自己破産の大半が、博打(パチンコ)、ブランド物の購入、異性への貢である。もう言い様がない。生活に必要な金ではないのである。しかし、その裏には銀行がいるのだ。今は銀行も諸悪の根元と言って良いのではないか。本来の企業育成“企業と共に歩み成長する”はどこかへ行ってしまい、金さえ儲かれば・・・と、個人に金を貸し、取立ての状況を考えると、対面上出来ないから、消費者金融へ金を流す。企業なら3%前後の貸付金利だが、消費者金融なら数倍の金利で貸せる。本来の姿と誇りを失い、厚顔無恥な銀行が一流企業とは消費者金融共にお笑い草である。

 ■パチンコ機の宣伝

 最近沢山TVでこの種の宣伝が流れるようになった。パチンコ機器の会社は莫大な利益を上げているのだろう。そして、需要もあるから出来ることなのであろうが、芸能人がその中で活躍しているとは・・・。芸能人とは劇場やテレビ、映画で活躍するものとばかり思っていたが、パチンコの機械の中でも活躍する様になったとは・・・。世の中やっぱりおかしい。人間って誇りを失うと何でもありなんだね。

 ■最後にこれ! 公共広告機構の宣伝(?)

 本家本元の話であるが、こんな映像が流れる。中学校の教室の机に父親が座り、子供達が参観している状況を映し、父親が息子について作文を両手で拡げ、読み始める。

「私の息子は自慢の息子で、趣味は・・・・・ えーと趣味は・・・・・」と声を詰まらせる。そして「もっと知って下さい子供のこと・・・」で締めくくるのだが、このこと自体、本筋では決して悪くないと思うが、昨夜であろうか作文を書いてきた父親が、子供の趣味について聞きもせず(調べずに)、人前でその作文を発表する訳がない。息子だってこんな未完成な作文は書いて来ないだろう。余りにも現実味の欠しい映像も戴けない。

しかし、私が大学生の頃だっただろうか、ダンロップ(車のタイヤ)の宣伝でこのようなのがあった。“♪ダンロップそれは優しさ、ダンロップそれはいたわり・・・♪”と、とても心穏やかな曲と共に雨の中、濡れた子犬が街中を彷徨う映像が流れ、初めて観た時に感動的であったし、心に残った。今でも忘れていない。このような質の高い宣伝を近年見ていないのは、制作者の能力が低下しているのか、それとも企業経営者の意識や質が低下しているのか・・・実に残念でならない。

 社会の皆がやっているから、又は皆が良しとしているから良い訳ではありません。
形態に惑わされず、本質を見抜く眼を持ちましょう。

日本の忘れ去られた文化の中に、その光明を見い出す事が出来ると思います。