Vol.02

 ※テレビの宣伝 その1


 私は外国の言葉が嫌いだ。だから敢えてコマーシャルと言わずに宣伝と題した。 皆さんが毎日観ているテレビ,面白い番組あり、下らない番組ありなのだが、民放では必ず途中とても良いところで宣伝が割り込んでくる(観ている我々は割り込んで欲しくはないのだが・・・)。
しかし、NHKではないので無料で番組を観ている我々には拒否する権利がないのは辛い。でも皆さん、テレビの宣伝が何か変だ!又は何て下らない宣伝をするのだろう・・・と感じたことはありませんか。私の言い分を聞いてから、もう一度見直して観てもらえますか?日本人はここまで馬鹿になってしまったか、馬鹿にされているかのどちらかですよ。

 ■物置製造会社の宣伝

 いかにも大丈夫そうな物置の映像を流しています。6帖程度の広さに見える物置の上に多くの人(恐らくこの会社の社長とその社員と思っている)が集まって、自社の鋼製物置がいかに丈夫であるかを謳っている。でもこれは錯覚だと思っている・・・が、実は本当のところは私にもわかりません。なぜならこの事について検証したことがないし、するつもりもないからです。と言うのも、6帖大の広さに人が何人立てるか御存知ですか?1帖でおおよそ8人です。タタミ半帖に4人が立てれば良い方ですから、1帖で8人とすると6帖では48人、約50人位がせいぜいです。映像を観ても12帖の広さで100人が立っている様には見えないのだが、でもそれは100人乗れたとして100歩譲りましょう。一人当たりの体重を60kgとすると100人で合計6,000kg(6ton)です。鉄の許容圧縮応力度(ton/cu)は長期の状態で1.6ton/cu、短期の状態で2.4ton/cuもあるのです。鋼材の種類にもよるが、前述した強度は鋼材として、まあ一般的な強度です。

あの宣伝の映像を撮影するに要した時間はせいぜい数時間と思われ、(とてもあの状態を1週間以上も続けているとは考えられない)とすると前述の許容応力度は短期の状態で考えなければならないので、合計6tonの重さを短期圧縮許容応力度の2.4ton/cuで割ってみると、2.5cuあればこの物置は理論上潰れない。どういうことかというと、波型になっている薄い鉄板と柱の形状の断面積の合計が2.5cuあれば潰れないと言うことです。
2.5cuは1cm×2.5cmの面積のことです。恐らくあの物置の鉄板の断面積の合計は2.5cu以上あるのでしょう。しかし、乗っている人達の顔の表情見ていますか?何となく顔が強張っていませんか(笑って、ぎこちなく両手を挙げる社長と思し召す人以外です)。

屋根の上に乗って動かず、じっとしていれば確かに壊れません。しかし、人が動けばグラグラと揺れる筈だから、恐くて出来る筈もないと思っています。又、あの物置の屋根にあれだけの人数が集まって屋根が壊れないわけがない(実際は壊れないかもしれないが、大きくたわむと思っている。)ので、恐らく人が乗っている所には厚めの板材のようなものを敷いて乗っていると想像している。

あの映像の状態で乗っている人が動こうとするか、誰かが壁を押して揺らせば、確実に壊れると考えているし、必ずそうなると思う。自社の製品がいかに丈夫であるかを伝えたいのだろうが素人に錯覚を起こさせるような一方向のみの強さを強調する姿勢には、呆れてしまう。企業の経営理念はいずこへ。又、あれを観て、そうなんだ、とても丈夫なんだ・・・、と思い、この製品を買った人は、はっきり言って、形態に騙され、本質を見抜けない“まぬけ”と言われても仕方ない。(詳しい説明をすれば切りがないので、この辺りで止めます)

 ■○シミンと言う薬品

 女性の顔(肌)のしみを取り去る効用を謳っている宣伝だ。クリームを顔の“シミ”に塗り、この後「あっ、シミが・・・」と言う言葉で終わるものだが、「取れた」とも「取れなかった」とも言わないで、映像の流れと女性の顔の表情からあくまで“取れた”と思わせる事で、販売の拡大を狙っていることは明白である。この表現は問題であると思うし、これを見ている側が疑問を持つようでなければ、その思考にはもっと問題があると思って頂きたい。飼いならされた日本国民、目覚めよ!こんな愚かな国民ではなかった筈だ。

 ■携帯電話の宣伝

 皆さんも、これを読めば「あーあれか。」と思うあれです。最初に聞いた時に私はこう思った。「通話料0円」は、基本料金が他社より高めに設定しているので、通話料を無料にするのだろう・・・と。基本的に通話料が0円になる訳がなく、何か伝えていない内容を言わないだけであろう・・・と。その後このことが社会問題となり、小さな文字でその理由が書いてあったという事らしい。そしてこの宣伝はTVから姿を消した。その後直ぐ出たのが女子高生数人が集まって話をする場面で「○○ちゃんが悪いんじゃないよ」で終わる宣伝。初めて観た時、ヘドが出そうだった。

恐らく皆さんも同じだったと思う。私はこの会社に抗議しようかと思った位だが、2、3週間もすれば又姿を消した。不評で、随分抗議の電話やメールがあったのであろうと想像がつく。莫大な金額をかけて宣伝の製作をし、日本中にその映像を流すも反感を買っただけである。そのことはテメーの会社の事だからどうでも良いのだが、私はこれでは終わらない。この宣伝の放映に関して、この会社の社長や重役(役員)は、必ず事前に観ていて“放映良し”の決定をしている筈である。

つまり、この会社の社長以下役員は、この程度の感覚の人種だと言うことだ。お粗末な会社と言ってもいいんじゃないか。社長がどれほど“大した奴”と言われていても・・・。
恥を知らない人達が経営陣たる会社では、社員がかわいそう。

それにしてもauの宣伝は上手い。人の心を掴み、伝えたい事がはっきりしているのではないが、何か希望のようなものを感じさせ、その気にさせる優しいものだ。起用する女優も良いし、制作者の能力も高いのであろう、他局から顧客を奪った理由が頷ける。
一方ドコモ繋がる会社の宣伝は、硬いと感じる。もう少し能力のある人物に宣伝を依頼したらどうだろうか。視聴者の側からすると見たくなくても目に入ってくる映像だ。質の高い映像を見ると、心が優しくなるし、日本もまだ捨てたものではない・・・と嬉しくなる。

 ■長いノズルのついた喉の薬(毒)

 「長いノズルで直接喉に当るから、菌を殺し、効果が直ぐに顕れる・・・」だって。ウィルスは基本的に殺すことができないから、菌とは細菌のことだよね。細菌を殺すのは毒でないと殺せないね。人体にとって、その毒が体内に入って無害という程度のものなら、その菌が体内に入っても、免疫力で抵抗するか、白血球が殺してくれるんじゃない・・・だって、無害の毒より弱い菌ですよ。
製薬会社さん、ちゃんとした説明してよ。それとも、厚労省の認可の範囲の毒性しか使ってないから、ある程度の毒を売っているってか?やはり買う奴が馬鹿だ。